自転車社会学会2007/2/17作成
「道路交通法改正試案」に対して寄せられた主な御意見及びこれに対する警察庁の考え方について

平成19年2月
警察庁交通局

「道路交通法改正試案」に対して寄せられた主な御意見及びこれに対する警察庁の考え方について

(参考)
意見総数2360通
(内訳)
電子メール2244通(95.1%)
郵送50通(2.1%)
FAX66通(2.8%)
※1平成18年12月29日金から平成19年1月28日日までの31日間に頂いた御意見等を取りまとめたものです。
※2集計の詳細については別紙(「道路交通法改正試案」パブリックコメント集計結果)を参照してください。

1悪質・危険運転者対策の推進(略)

2高齢運転者対策等の推進(略)

3自転車利用者対策の推進

(1)通行区分の明確化について

この項目に対しては、改正試案に賛成の立場から、

○自転車道の整備等が進んでいないのであれば、現実に合わせて法律を見直すべき。
○車道通行を前提としつつ、歩道通行の要件を定めることで、自転車の位置付けが明確になる。

といった御意見があったほか、反対の立場から、

○自転車対歩行者事故が増加しているにもかかわらず、自転車の歩道通行の条件を緩和するのは矛盾している。
○自転車が歩道を通行できる場合が拡大することは、歩行者にとっての脅威・危険を助長することになる。
○自転車の歩道通行がいわば無秩序になされている状況の是正は、現行法でも十分対応可能。
○自転車が車道通行するのが困難な現状に対しては、自転車レーンの整備などで対処すべき。
○改正試案が踏まえることとしている「自転車の安全利用の促進に関する提言」中の「自転車の車道通行を禁止する措置」は、自転車の走行を大いに阻害するものである。
○車道を通行することが危険であるか否かの基準が不明瞭である。
○現実に警察官も歩道を通行している状況が見られ、警察官等による指示の実効性は期待できない。

といった御意見がありました。

自転車については、自転車が主に被害者となる対自動車事故と自転車が主に加害者となる対歩行者事故の両方が増加している状況にあり、また、現行法の規定に反して自転車利用者が無秩序に歩道を通行している実態があることから、警察では、自転車の交通秩序の整序化を図る必要があると考えています。

そして、交通秩序の整序化は、通行ルールの周知や安全教育、指導取締り等によるルール遵守の徹底と、車道・歩道両方の自転車走行環境の整備とを並行して総合的に推進することにより、実現が図られるものと考えます。

これらの対策の前提となる自転車の通行場所に関するルールについては、多様な年齢層の者が多様な用途・目的で自転車を利用している一方で、自転車の走行環境を全面的に分離することには限界がある我が国の道路事情の下では、車道通行を原則としつつ例外的に歩道通行を認めることが適当と考えられますが、この例外的に歩道通行を認める要件として、道路標識等により自転車の通行が認められた場合のみ歩道通行できるという現在の通行ルールは、画一的にならざるを得ず、利用者によっては守ることが難しく、徹底を図ることが困難と考えられます。

そこで、改正試案では、標識等により通行が認められている場合のほか、児童・幼児が運転する場合や車道を通行することが危険である場合等に限定して歩道通行の要件を法律上明確にすることとしていますが、これは、上記のような自転車に関する総合的対策を推進する前提として、自転車利用者が守ることができる通行ルールとしつつ、その徹底方策を強力に推進しようとするものです。歩道を例外的に通行できる要件の「車道を通行することが危険である場合」については、例えば道路工事や駐車車両の存在等により、自転車利用者が安全を確保するためやむを得ないような状況を考えているものであり、その趣旨を法文上明らかにするとともに、具体的にどのような場合が該当するかについては、可能な限り、交通の方法に関する教則等で明示することとしたいと考えています。これに加えて、現在、幅員の広い歩道で自転車の通行部分が指定されている場所がありますが、このような歩道を通行する自転車と歩行者が守るべきルールについて明確化することについても検討しているところです。

警察では、今回の改正を契機として、自転車はどこをどのように通行すべきかというルールについて、部内はもとより、広く国民に広報していきたいと考えており、要件に該当しないにもかかわらず歩道を通行している自転車利用者に対し指導警告するとともに、歩行者の安全確保を図るため、歩道での自転車の悪質・危険な違反に対する指導取締りも強化することとしています。また、自転車の通行環境の点検を行い、計画的に通行環境の整備を進めるなど、交通秩序の整序化に向けた総合対策を推進していくこととしています。

このような改正試案の趣旨及び警察における今後の自転車対策の考え方を御理解いただければ、反対の立場からの御意見や御懸念の多くは当たらないものと考えています。

なお「自転車の安全利用の促進に関する提言」の中の「自転車の車道通行を禁止、する措置」についての記載は、道路環境によって採り得る規制措置の一例としてあけ?られた意見を記載したものであり、今回の改正自体とは関係がありません。警察としてこのような措置を進める狙いがあるわけではなく、また現実に、自転車の車道通行を原則とする以上、それを禁止する措置を優先するような政策は採り得ません。

(2)児童・幼児のヘルメット着用の促進について

この項目に対しては、改正試案に賛成の立場から、

○努力義務が設けられることにより、保護者が子供の安全により注意を払うようになることが期待できる。

といった御意見や、条件付賛成の立場から、

○自転車に乗車するすべての者にヘルメット着用を義務付けるべき。
○幼児を同乗させる保護者が違反をした場合には罰則を科すようにすべき。

といった御意見があったほか、反対の立場から、

○ヘルメットの重量が負担となってばランスを崩し、事故を引き起こす可能性があるのではないか。

といった御意見がありました。

被害軽減の観点からは、児童・幼児に限らずヘルメットの着用が望ましいと考えられますが、改正試案では、自身の技能や経験等を考慮しヘルメットを着用すべきか否かを判断することができない児童・幼児が乗車する場合についてのみ、児童・幼児を保護する責任のある者に対し当該児童・幼児にヘルメットを着用させる努力義務を課し、ヘルメットの着用促進を図ることとしています。

なお、ヘルメットの重量が原因となった自転車の事故については把握しておりませんが、乗車用ヘルメットの安全基準等についても、関係機関・団体と検討していきたいと考えています。

(3)街頭活動の活性化について

この項目に対しては、

○地域交通安全活動推進委員の活動により、国民に正しい自転車の通行ルールが浸透することは有意義だが、あくまで、自転車は車道通行が原則ということを国民に周知させる活動をしていただきたい。

といった御意見がありました。

警察における自転車対策の考え方は(1)のとおりであり、地域交通安全活動推、進委員や関係団体等の方々と連携して街頭活動を強化し、自転車の正しい通行ルールについて国民に周知し、自転車に関する交通秩序の整序化を図っていくこととしています。

4被害軽減対策の推進(以下略)

 

別紙

「道路交通法改正試案」パブリックコメント集計結果

1 意見総数

総数 電子メール 郵送 ファックス
2,360通 2,244通 50通 66通

2 概要(延べ意見数)

全体に賛成 15
全体に反対 3
個別項目についての意見 2,657
その他の感想等 352

3 個別項目についての意見の内訳

賛成 条件付き賛成 反対 その他 合計
悪質・危険運転者対策の推進 132 383 57 98 670
高齢運転者対策等の推進 61 57 31 32 181
自転車利用者対策の推進 35 74 1,381 108 1,598
被害軽減対策の推進 29 41 39 24 133
新たな駐車対策法制の施行状況を踏まえた違法駐車に関する規定等の見直し 35 6 8 13 62
安全運転管理者制度の対象の拡大 11 2 0 0 13
合計 2,657件

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